リカラーの工程
クリーニングでは落ちない汚れや紫外線ヤケによる色落ちなどには、 顔料吹き付けによるリカラーによって隠蔽、回復できることもある。 この他に、最終手段として「黒に色替え」という対応も可能 (対応できない革、費用対効果としてお勧めし兼ねる場合もある為、要相談)。
注:よく「染替え」という言葉が使用されますが、製品になった革は「染める」事はできません。革は製品になる前のなめし工程において、様々な薬品の化学反応を用いて染料を定着させる「染め」が行なわれます。製品になった革には染料を入れても定着しないため、表面に顔料を吹き付ける「リカラー」を行なうものです。なお、革の種類や状態により、顔料が定着しないものもあります。
STEP ①
前処理(マスキング)
ドットボタン等の金属類や裏地など、顔料がかかるのを避ける場所へマスキングを行なう。はみ出した顔料は後処理でも除去できるが、前処理を丁寧に行なう方が綺麗に仕上がる。
STEP ②
前処理(脱脂→乾燥→下処理剤塗布→乾燥)
顔料を弾く可能性のある革表面の脂分を除去するため脱脂を行なう。その後、顔料の定着を高める下処理剤を塗布する。各処理後にはドライヤーを使用して丁寧に乾燥を行なう。
STEP ③
顔料吹き付け
一度に大量の吹き付けはムラに繋がるので厳禁。出来るだけ均一に、薄く吹付けを数回に分け行う。 吹付けの状態は、蛍光灯と自然光では見え方も異なるため、何度も違う光源で確認しながら作業を進める。確認の必要性から、曇天での作業は避けている。
製品が色物の場合、吹き付けでは調色を行う。白、黒、赤、青、黄の顔料を、数滴づつ混ぜて指定の色を作り出す。微妙な色合いのリカラーの場合、調色だけで相当な時間を要する事もある。
STEP ④
仕上げ剤吹き付け
顔料を定着させる仕上剤を吹き付ける。使用する仕上げ剤により表面の艶感も調整できる。
マスキング対応できなかった箇所や、マスキングからはみ出た箇所の顔料を、処理剤を使用して拭き取る。革には触れないように綿棒なども使いながら細心に。
完成
吹き付け完了後、1日以上乾燥を行い、テープテスト(粘着テープで顔料が剥離しないことを確認)をクリアして完成となる。
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