カドヤの革ジャン四方山話-其の壱-不定期連載
カドヤの革ジャン四方山話-其の壱-不定期連載
フード付の革ジャンはもはや邪道ではない。
革ジャンにフード。バイク乗りの一張羅という意味での狭義な革ジャンにとっては邪道かもしれない。なにせバイクに乗る際に邪魔になる。ヘルメットに干渉して邪魔だし、風をはらんで邪魔だし、フードの重みで襟がノドに張りついて邪魔だし。
だから一昔前のバイク用革ジャンにフード付なんてなかった。フードがついていればそれはすなわち、街用の(バイクに乗りにとってみれば)似非革ジャンだった。
photograph(main cut): Shoichi Kinugawa
model : HAIR WRAP Fire Ni-san
編集協力(VIBES)
その風向きが変わってきたのはいつ頃からだっただろうか。思い返してみればその昔から、バイクに革ジャンという流れ以外に、バイクにミリタリーウエアという組み合わせはあった。
そしてミリタリーウエアにはN-3BやM51パーカーというフード付のモデルがあって、バイク乗りには結構人気があったのだ。
もちろんそれは革でできたものではなかったのだが、その昔(革ジャンにフードなんて考えられなかった時代)からバイク乗りの集団でありバイク用革ジャン作りを続けてきたカドヤが、
だから何かの拍子に、フード付のミリタリーウエアを革で再現することを思いついたとしても、今思えば、それはいわば自然の流れだったのではないだろうか。
先程から、写真にでているレザーモッズパーカーのVERMILLIONは、そんな流れの中2019AWにリリースされ、カドヤの定番モデルとなった。
そんな背景を踏まえ、コテコテがあまり好まれなくなった時代背景も手伝って、バイク用革ジャン作りを生業としている我々にも、フードというカジュアルをより積極的にバイク用革ジャンに落とし込んでみたい、という発想が生まれた。
その〝挑戦〟を先導したカドヤデザイナーの小谷は言う。「1着目というよりは2着目以降の革ジャンを想定して、よりユーティリティ(使い勝手)を高めて幅広い人たちに、という点を優先しました」
さまざまな事象がボーダーレスな時代の中にあって、我々カドヤも例外なく、街とバイクの境界を極力ボーターレス化したこんなフーデッドライダースを生み落としたのだ。もちろん一見ヤワに見えてもバイク乗り視点の作りに変わりはない。
そしてそうであればもはや、フード付の革ジャンはバイク乗りにとって邪道ではない。
POINT-1:フードは脱着可能。
ただし浅めの作りなのでつけたままでもラ イディングの邪魔になることはない。
POINT-2:オールシーズンへの配慮
通年通して、キルティングの裏地も脱着可能。
POINT-3:ヘッドファクトリーパターンの本気
パターンが秀逸ゆえ腕の 突っ張り感は一切なし。
POINT-4:バイク乗りとしてのアイコン
ヒジのパテッドがバイク乗りを主張。
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