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記事: 握り鋏(糸切り鋏・和鋏)

握り鋏(糸切り鋏・和鋏)

握り鋏(糸切り鋏・和鋏)

レザージャケットの専門メーカーカドヤ
入社時に社長から職人の道への贐として贈って頂いたもの。
革ジャン七つ道具の一つ。握り鋏です。
主な用途は糸切りですが、薄い革であれば切り込みを入れたり、先端をカットする時に
使用する事もあります。
縫製中の使用頻度は高く、人間の指先と同じように使う感覚。理由としては
・手の中に納まるサイズである事。
・指から近い距離に刃先があるので対象物を捉えやすい。
・刃を開いてから切る2アクションを必要としない。
レザージャケットの専門メーカーカドヤ
プラスチックのグリップに刃がビス留めされており、内蔵されたスプリングで開くタイプ。
環に薬指を入れる事で一体感が出ます。
鋏には大きく分けて二つの型があります。
・X字型:刃と柄の中間にネジ(支点)のある形式。文具バサミ・裁鋏などの一般的な系統。
・U字型:握り鋏がこの系統。U字に曲げられたバネの部分が支点となる。
ネジを入れてから刃付けをして調整・修正を行うX字型。
それに対してU字型は一本の軟鉄の両端に刃付けを済ませ、中央部分を曲げて一気に完成へ。
精巧さとダイナミックのバランス。日本らしい職人魂を感じます。
鋏としては最も古い歴史のある握り鋏。
ヨーロッパや東南アジアなど全地域に分布していましたが、今も造られているのは
日本だけだとか。それでも生産量は毎年減っているそうです。
残すべき伝統文化の一つだと思います。
レザージャケットの専門メーカーカドヤ
通常サイズ(写真・上)より大きな鋏を発見。いったい何に使うのでしょうか?
更に二回り以上大きな物も骨董市で見かけた事があります。
ギリシャで羊の毛を刈っていた同型の鋏は全長1メートル近くあるとの事。
シンプルな握り鋏も種類は様々。
数百年の年月を経て、改良された今日の鋏を使える事に感謝します。
【中村】