Protect of Kidney
以前に使用していたレザーのトレーニングベルト。
ちなみに私はウェイトトレーニングの選手を目指していた訳ではありません。
これは若かりし頃、ハードワークのアルバイトで腰を痛めたために
腰痛ベルトの代用品として使用していた物。
当時は歩くだけでも激痛が走る状態で、更に肉体労働という事もあり
仕事中は欠かせない存在でありました。
腰痛ベルトと言うと、一般的にはマジックテープで留める
ゴム製のものが主流ですが、私はあえて
レザーでWピンのバックルが付く、この重厚なベルトを選択。
腰に巻く際は安心感と共に高揚感を覚えます。
幅広で後ろ側が更に広い形状は、動きを妨げずに骨盤を固定したり
腹圧をかける事により、腰部への負担を軽減します。
ライダースジャケットにおいて、これに近い機能を持つモデルがあります。
それはポリスマンジャケットの腰まわりに見受けられます。
今では見かけなくなった別体のキドニーベルトが進化し
「キドニーパッド」または「キドニーウォーマー」と呼ばれる部分。
裾の両サイドの編み上げの紐を絞り、更に極厚のベルトを併用する事で
ウエストまわりが、しっかりと固定されます。
ウエストの切り替え部分に、当て革を施したパッドは転倒時のクッションとなり
後ろ身頃に大きくついたキドニーウォーマーは、腰を寒気からガード。
古くは、路面の衝撃を吸収するリアサスペンションのない
リジットフレームのバイクが多かった為
胃下垂や腰痛を予防すべく生まれたディテール。
さて、一般的に腰まわりは”ウエスト”ですが、何故”キドニー”と呼ぶのでしょうか?
・イギリスの名物料理「キドニーパイ」
・インゲン豆の一種である「キドニービーンズ」
・BMWの顔とも言えるフロントの「キドニーグリル」
・格闘技の中で反則とされる「キドニーブロー」などなど・・
普段はあまり耳にしない、この”キドニー”とは「腎臓」の事です。
人間にとって臓器はどれも重要なものでありますが
その中でも背中のちょうど腰あたりにある「腎臓」は
”生命力の要”とも呼ばれています。
そして、この「腎臓」が冷えると体全体が冷え、更に働きを鈍らせる原因に・・
そう考えると季節を問わず、腰周りの防寒は重要ですし、
寒さから来る腰痛の対策にもなります。
先人の知恵には恐れ入ります。
ヘッドファクトリーのラインナップでポリスマンジャケットの
モデルはASP-VSとAWP-VSの2型となっております。
また、オーダーメイドの際に、後ろ裾の延長を
ご検討してみるのもいかがでしょうか。
本格的な寒さはまだ訪れていませんが
朝晩の冷え込みは、だいぶ厳しくなってまいりました。
お体にお気をつけてお過ごし下さい。
【中村】