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記事: LOVE TOOLS

LOVE TOOLS

LOVE TOOLS

我々革ジャン職人が日々手にする道具たち。
メリケン針(手縫い用の針) がおそらく最も小さく、逆に最大最重量はクリッカー(油圧式裁断機) 。

レザージャケットの専門メーカーカドヤ


その間には、目打ち、糸切り、くい切り、とんかち、包丁、ハサミ、、、、
毎日手にする必需品もあれば、たまにしか出番の無い専用道具まで挙げればきりがありません。
以前、入りたての新人に、差しあたって必要な手周り道具の中古一式をあてがい、あとは一生懸命働いて少しずつ買い揃えなさいと伝えたら、これだけで革ジャンは作れないのか?と聞かれ、イヤ包丁と糸と針があれば革ジャンは作れるよ、でもな、、、
その後、作業効率の重要性を痛感し、造形に対する意識の成長と共に彼の道具は当時と比べ少しずつ増えている様です。
電動機械の内、最も使用頻度が高いミシン。その中でも厚物用上下送り平ミシンは我々にとって相棒と呼べる程の存在です。

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回転運動、上下運動、オイルタンク、ポイントギャップ、シャフトドライブ、フットボードアクセル、鉄の塊、ダダダダダッ、、、
オートバイとの共通点が多いこの道具、運転技術だけでなくメンテナンスと調整は必須で、ミシンのセッティングは職人のたしなみと言って間違いありません。
手入れ調整の繰り返されたミシンはいつの間にか個性的になっており、他の職人のミシンを踏ませてもらった時その違いに気付きます。
もちろんそれは整備不良などではなく、各部セッティングの差や機械音の違い、押え金の削り方、テーブルの滑り具合、はずみ車の径と重さ、などなどそれらはどれも極僅かな違いでしかなく非常に感覚的な部分で伝わってくる個体差なのですが、やはり使い慣れている自分のマシンが一番落ち着き馴染みます。
道具の個性はなにもミシンに限った事ではなく、ハサミでもヤットコでも使用頻度が高く手入れの繰り返された道具はみな、自分のカタチに摩耗変形しスッと手に馴染み落ち着く筈ですが、手周り道具を他の職人から借りる事はまず無いのでその差に気付いていないだけなのでしょう。
そう考えると、普段意識せずに使っている小さな道具たちにもより一層の愛着が湧き、そのぶん豊かな気持ちで革ジャンづくりが出来そうです。

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普段世話になっている、この小さな鉄の塊たちに、久しぶりの乾杯。
【市島】