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記事: small talk - Vol.03 品物とそのバックグラウンド等

small talk - Vol.03 品物とそのバックグラウンド等

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small talk - Vol.03 品物とそのバックグラウンド等

これまで商品紹介をしてこなかった当記事(small talk)だが、第3回目では商品をひとつ紹介させて頂きたいと思う。顔見知りになったスタッフが「それ良いですよ」と話し始めた。そんな風に感じて頂けると有難い。


個人的には本質を擬えているのではと思っている

「スティーブン・マックイーンが現代の人だったなら、選ぶ車両は何になるだろうか」とは実際に店頭で行われた雑談。「現代のレースで上位を狙える車両」との意見は、その場の放言にしては本質を捉えているように感じた。

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この記事でご紹介する商品は1940-1950年代に米国軍用艦の甲板で使用されていた作業用ジャケットを原案にカドヤがレザーで再構成したもの。原案とは異なり各部がライダース仕様になっているのが主な特徴だ。

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寒風が吹き荒れる軍用艦の甲板で切望されたのは防寒性能だと推測している。そして冬の二輪車乗りが求めるのも防寒性能なのではないだろうか。

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内リブなどの細かな部分は原案と同様となっている。それではライダース仕様とした部分はどこなのかと問われると、その最たる部分はモーターサイクルの乗車姿勢に合わせた袖付けの角度が挙げられる。

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細かな部分としては、最も留めにくい位置にある襟のフラップボタンをドットボタンに変更している。これは気配りの効いた仕様だと感じる。

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内ポケットは個人的に好きな部分の為、画像を掲載させて頂く。ポケット縁を切りっ放しにしているのは、表への影響を抑える仕様。

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暖かな起毛の内張りを踏襲しながらも、これを脱着式としている。これも所有者の利となる優れた特徴と言えるのではないだろうか。

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海に由来する紳士服に馬に乗るデティールは必要とされない等、紳士服には伝統的な約束事が存在する場合がある。

しかしながら、ライダースジャケットにその考えは、そのまま当てはまるのだろうか。

US.NAVYのN-1を原案に各部をモーターサイクルに適した仕様に再構成を行った事。これは個人的には本質を擬え(なぞらえ)ているのではないだろうかと思っている。

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この記事を書いた人 / 菊地 謙三郎

カドヤ東京本店の店長を約10年間務めた後、営業部 EC課に配属。

東京本店では多くのオーダーメイドやリペアに触れ、レザージャケットへの見識を深めた。カドヤの以前には、バイク専門誌『BORN Biker's』(モーターマガジン社)の編集員に名前を連ねたことも。

車歴はGILERA SATURNO350、HONDA XR600R、SUZUKI DR-Z400S、DUCATI 350F3等。