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記事: フーデッドライダース U-SCR

フーデッドライダース U-SCR

フーデッドライダース U-SCR

カドヤ公式オンライン

2020AWは定番系だった旧来の人気アイテムを進化させつつ、完全新規のアイテムは今までのカドヤとは違った独創的な考えのもと開発を行いリリースしています。

先日シーズンのご紹介にてアップさせて頂いた新商品2系統の1つ。

新しい挑戦-

今までとは違うナイロン使い。その中でも特にこだわりの強い一着を

デザイナーの独断と偏見でご紹介します!


カドヤ編集部 :デザイナー

5年越しの思い。『機能的なフーデッドライダース』U-SCR

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<<2020AWの新作U-SCR >>

このアイテムのコンセプトは5年前の2015年に遡ります。

当時、私が入社するの時に用意をした商品のデザインの資料が基となっており、主に上下方向に袖の可動域を広げるパターン設計のアプローチでした。

皆さんも普通の服でバイクに乗ると、腕が突っ張ったり上腕が締め付けられるような窮屈さを感じたりした事があると思います。

私自身、カドヤに入る前は今の愛車のXSR900ベースの前傾カフェレーサーではなくオフ車に乗っていました。(腕の付け根周りの自由度が欲しい……)という感覚を覚えました。そんな実体験を形にしたコンセプトデザインです。


(企画資料)

(※脇ぐり部分がボディと一体になるようなデザイン/設計により、腕を上げやすくする考えのコンセプト)

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左の赤いジャケットは2015年当時、そして右は2019年2月に描き上げた初期デザインです。

表面上のデザインはだいぶと変わり、動きやすさやラフさを連想させるパーカースタイル(フードは着脱)に、5年来のコンセプトイメージが、優秀なパタンナーのノウハウと合わさり商品化に向け進み始めました。


(パターン資料)

(※運動量が必要な場所にストレッチ素材の切り替えを施し、前に腕を出す為に大きく前に斜行した袖のパターン)

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少しマニアックな乗車姿勢のお話…

腕を上げてハンドルを握る際に、袖の付け根の位置と肩は上がり、胸幅は狭く、背中は逆に広がります。

それらの乗車による姿勢の変化を、旧来のザ・ライダースというようなシンプルな構造ではカバーできない為、

今までとは全く違う斬新な袖付け根の形状と位置になっています。(黄色部分とグレー部分の境目)

そして袖の付け根下側、釜底と言われる部分は伸びた場合のゆとりや強度を持たせる形状に変更。

脇のパーツはそのまま袖まで伸び、脇のつっぱりを無くして腕を上げやすい構造を意識、そして上下だけでなく前後の腕の動きもカバーする為に、袖全体が緩く前方へカーブするような形状になっています。

当初思い描いていた[動き]に対するアプローチを、より有効で合理的な形に仕上げていく。

長年のノウハウが詰まった本社工場があり、企画室も含めた本社機能が一箇所に詰まっているからこそできたライダースへの挑戦だったな、と感じています。


布帛と革のコンビ使いである意味

バイクに乗る服を色々と考えて来たこの5年間で、素材ごとの特性理解を深めていきました。

『革はカドヤのアイコンである。』ただし、革だけではカバーできない機能もあり、積極的に新しい素材や機能を取り入れていくことも必要だと近年考えています。

特に今回のU-SCRは[動き]に対するアプローチからスタートした企画。

なので伸び・縮みといった単純な考えだけでなく、部位ごとの厚みの変化や総合的な重量軽減による着用のしやすさや動きやすさも考慮していて、その結果ストレッチ布帛を脇の一番要となる部分に用いています。

本当はストレッチを用いなくても十分に袖は前に出る。だけれど、万が一の緊急回避が必要な際に運動量が不足して突っ張ってはいけない。

アクションプリーツを付けるモデルをカドヤで作る際には、プリーツがなくても動ける分量は確保しますが、それに万が一の際に動ける運動量という意味合いでプリーツを付けるのがカドヤ。

なので革ではなくストレッチ性がある布帛を採用、それも脇が擦れることを考えて、密度の高いナイロンが望ましい。

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「カドヤだから全面に革を使わないと」という意見よりもカドヤとして、バイクの洋服をイノベーションする「新たな価値観の創造」に重きを置きたい。

そういう思いを持ちながら、社内のいろいろなスタッフと切磋琢磨しながら、

試行錯誤に日々明け暮れています。


『皮服店からスタートしたカドヤ』バイクの装備としての側面がありつつも、服としての完成度と可能性を追い求めていきたい。デザインと機能のバランスを考え、図面やデザインと格闘していて凄くやりがいを感じます。

今後も一人一人のバイク乗りにとって、より良いと感じて頂けるもの作りに向けて日々精進して参ります。

この記事を書いた人 / カドヤ編集部

カドヤのモノ・コトを発信する社内にある編集部

カドヤのあれこれを社内からの視点と時に外からの視点で積極的に発信していきます。