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記事: HF-DEER LINE-UP MODEL

HF-DEER LINE-UP MODEL

HF-DEER LINE-UP MODEL

こんにちは、原田です。
今回は、HFラインナップモデル〔HF-DEER SERIES〕の
開発エピソードについてお話しさせて頂きます。
レザージャケットの専門メーカーカドヤ
とても柔らかくて肌触りが心地よく、風合い豊かな素材である 鹿革。
HF-DEER は創業130年を越える鹿革専門の老舗タンナー
奈良の藤岡勇吉本店にて製作されているカドヤオリジナルの革です。
[HF-DEER SERIES〕
FLAT TRACK RACER
EARLY SPRINTER
EARLY SPRINTER MD-1
レザージャケットの専門メーカーカドヤ
今回は、リリース当初よりご好評頂いております各モデルの
モデルコンセプトやモデルネームについて触れてみたいと思います。
革素材ありきでスタートした企画開発の中で最も重要視したのが
風合い豊かで上質な鹿革の素材感を
ダイレクトにお客様に感じて頂くことでした。
長年、ハリとコシがあり、厚みと強度がしっかりと備わっている革が
カドヤラインナップの主軸でしたので
風合いに重点を置き、且つライダーに納得して頂けるモデルの開発は
なかなかハードルが高く、苦戦を強いられる事となりました。
そんな時に一枚の写真との出会いがありました。
第二次世界大戦前の1930年代後半
イングランド東部ノリッジのフラットトラックで活躍したレーサーの姿でした。
当時既に上下レザーウェアで肩、肘にはパッドが縫いつけられ
スパルタンな仕様となっていましたが
その選手のJKTの雰囲気
どことなくフワッと柔らかなウェアの印象にヒントを得て
1930~1960年頃の各国の様々なレースシーンの資料を集め
イメージするコンセプトの焦点を絞りました。
レザージャケットの専門メーカーカドヤ
戦前、戦後直後の写真の中のライダーたちは
皆、砂埃や泥、煙にまみれていました。
山や谷、海辺、湖など未舗装の悪路で車体をスライドさせ
細くて華奢なフレームとタイヤでバランスをとりながら
アクセルを開けっぱなす様は躍動感に満ちており
古き良き時代のライダーたちの勇士に、ロマンを感じずにはいられませんでした。
モーターサイクルスポーツ文化の黎明期に活躍したライダーにインスパイアされて
それぞれのモデル名を
〔EARLY SPRINTER〕 / 〔FLAT TRACK RACER〕 と命名しました。
鹿革の素材感を引き立たせるシンプルな構造をイメージし
テーラードでいうアンコンジャケットのように
極力非構築的に芯地、裏地、厚手のパッドなどを使用せず
さりげなくラフに着て頂けるよう工夫しました。
〔 FLAT TRACK RACER 〕 は
名前のごとく、オフロードの様な悪路を想定し
土や砂利の跳ね返りでフロントZIPが汚れたり傷ついたり
動きが悪くならないよう、また
運動性も加味しサイドZIP式のプルオーバー仕様に。
〔 EARLY SPRINTER 〕 は
舗装路(アスファルト)でのドラッグレースや
アメリカのユタ州ボンンビルのソルトフラッツなどで行われていた
最高速度記録の競技に出場していたライダーをイメージしました。
ガソリンタンクやエンジンを抱え込むような前傾姿勢ですので
競技中のアクシデントによりエンジンブローし、体に引火した際
即座にウェアを脱ぎ、危険回避できるよう、、、などと想像し
フロントZIP仕様で、脱ぎ着し易いモデルとしました。
〔 EARLY SPRINTER MD-1 〕 は
カジュアルスポーツウェアとして EARLY SPRINTER をモディファイし
レギュラーカラー、総裏地、見返し左右にZIP付きの収納ポケットを設けるなど
オートバイから降りても違和感なく街に溶け込めるよう
優しい雰囲気で、着易くて使い勝手の良いモデルにしました。
いずれのモデルも軽量化と着易さを追及するため、パーツ数を極力制限し
構造、視覚的に非常にシンプルなつくりとなっておりますので
鹿革の柔らかな素材感と相まって長時間の着用におきましても疲れにくく
また長年の使用における経年変化も存分に楽しんで頂けるモデルであります。
レザージャケットの専門メーカーカドヤ
私物のFLAT TRACK RACER BROWN は数年着用し
肩から背中にかけて日焼けして程よく退色し
肩、肘、腋の下、腹など運動量に応じて革のアタリも顕著に出ており
なかなかの経年変化の度合いであり
これから先の更なる変化とアジが非常に楽しみなウェアであります。
【原田】