カドヤの革ジャン四方山話 其の参-不定期連載
カドヤの革ジャン四方山話-其の参-不定期連載
「とは言っても、楽に着られる方がいいだろ。」
たかだか30年ほど前の話だが……。
巷のハーレーブームと歩調を合わせるかのようにアメリカからものすごい革ジャンがやってきた。
見るからに堅牢でカッコ良く、値段がその分半端ない。
その革ジャンの名はここで明かしてしまうと、
上司に怒られてしまうので想像していただくか、2020/VIBES.3月号を確認していただければ幸いだ。
その革ジャンは、まさに日本のハーレー乗りにとって黒船だったのではないだろうか。
それまでもスタンダードなものからこだわり派のものまでアメリカン革ジャンは入ってきており、
日本におけるそれらの序列は存在していたのだが、
その革ジャンは、そんな物差しなどすべて飛び越えて、ハーレー乗りの脳髄と物欲を直撃したのだった。
photograph(main cut):Fumiharu Kanazawa
model :skydogpapa
編集協力(VIBES)
その当時、カドヤがどうしていたかというと、そちらはそちらで空冷四発に代表されるいわゆるミスターバイク系に注力していたと記憶している。
つまり日本には空冷四発=カドヤという国産革ジャンの流れと、 ハーレー=その革ジャンというアメリカ産革ジャンの流れ、そんな2つの革ジャン流派があったのかもしれない。
当時、洋の東西を問わず垂涎の的である憧れの最大の理由はそのいかにもの質実剛健さにあったように思う。
質実剛健を語ると我々にも「バトルスーツ」というアイコンが存在する。
脱いでも人形に直立したまま。これを着こなせるように なったら一人前……。
まことしやかなそんなウワサを、ハーレーバブル真っ盛りにいた日本バイカーたちは真っ正直に歓迎した。
質実剛健こそが最強だと信じたのだ。
そんないい時代は過ぎ去り……。
もしかしたらそれはその革ジャンの洗礼を受けた当時のバイカーが、
それが故に革ジャンに対する目が肥えたがための結果なのかもしれないし、
単なる時の流れの仕業かもしれないのだが、あれほどもてはやされた質実剛健へのベクトルが急激に対極に動き始めた。
であれば、 質実剛健だけを旗印にオリジナル革ジャン作りに参戦した幾多が淘汰されたのも当然のことで、
結果、日本における革ジャン作りはその革ジャンを含む米国勢および英国勢が勢いを増しながらも数少ない日本勢としてカドヤも革ジャンを作り続けてきた。
ここで我々が何をしてきたか。いや 何をし続けているかを語ろう。
日本の事情になど関係なく我が道を進んでいけば良かった外国勢に対し、流行の浮き沈みのド真ん中から繊細な日本人向けに作り続け、
元来から得意としていた「剛」はそのままに、「柔」という選択肢 をその流儀の中に取り込んでいったのだ。
そして今……。当時の質実剛健のDNAを継ぎ
柔軟な流儀の真骨頂 として「トーラス」が生まれた。
鹿革と見紛うばかりの牛革で仕立てられたWライダース は、かつての質実剛健野郎にこそ感じてほしい柔らかな着心地を誇っている。
魂の根本を変えず、幅を少しだけ広げた「カドヤの流儀・最新版」である。
POINT1:機能的なバックルカバー
ベルトのバックルは革のガードが付き、バイクのタンクを傷つけないように配慮されている。
SR/カフェレーサーのことも意識したユニバーサルデザイン。
POINT2:取り外し可能
いくら機能的とは言えデザインが好みじゃない。
でも、タンクは傷つけたくない。
そんな方の要望をかなえる為取り外し可能な仕様に!
⚠︎ただし、無くさない様に!
(私は、先日無くして自宅の玄関で発見した。)
POINT3:ベルト...外せます。
裾のベルトは着脱可能で車種やスタイルによってアレンジが可能となっている。
ベルト外せば、ワイルドなレザージャケットが洗練して街中でも違和感のないスタイリッシュな印象に!
POINT4:「柔」の証明
証明の一番は行動で示すしかない。
と言う事で革ジャンを畳んでみた...
...
.......
たためました。
では、薄いのでは?と思う方も多いだろう。
しかし安心してくれ
このディアタッチカウにはしっかりとした厚みがあり、重みもどっしりとした安心感がある。
是非、重量感はそのままに柔らかさを実現したこの革ジャンを試して欲しい。
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