STYLING DETAIL
新素材、オイルドヴィンテージステアを初採用した今季のニューモデル「AVDJ」
モデルは身長 180㎝ 体重 63kg
Lサイズを着用しています。
インナーは厚手のセーターを着込み、ジャストサイズ。
普遍のスタンダード「Dポケットダブルライダース」をヘッドファクトリーの解釈で構築しています。
ご紹介の前に早速、少し脱線します。
1800年代後半、自動二輪車と飛行機の開発は、ほとんど同時に進んでいました。
技術面、経済的なしがらみから、内燃機関、二輪の進歩は一手先を行くことになります。
しかし、のっぴきならない事情(もっぱら戦争)により飛行機開発の方向へ開発のエネルギーは傾倒し、二輪開発は一時頓挫を余儀なくされる事に。
オートバイ開発で培われた技術は惜しげも無く飛行機製造に注入され、同時に乗組員用の衣類「ミリタリーウェア」にも国の資金は導入され続けました。
その後しばらくして、オートバイがポピュラーになり始めると、ライダースジャケットという概念すら存在しなかった1900年初頭、当時の「バイク乗り」の中で、革製の飛行服に着目し流用する人達が現れます。
この時期、一気に加速する二輪産業と共に、オートバイ用に専用設計されたレザーウェア「モーターサイクルジャケット」 所謂ライダースジャケットが誕生するのでした。
当時はやはり、飛行服「アビエイタージャケット」をルーツにしたデザイン、というか機能的レイアウトを施したものが主流で、とりわけ象徴的なのはポケットの仕様といえます。
Dポケットの名の通りDの形をしたアウトポケットは、アビエイタージャケットからの影響を色濃く残しているものの、機能的で合理的かつシンプルなルックスは、誕生から一世紀が経とうとする今も尚、全く色褪せない普遍性をもったディテールです。
「AVDJ」は、古き良きアビエイタージャケット、Dポケットライダースなどに見られる象徴的な構成、エポレットやフロントベルト、チンストラップなどの装飾性の高い作り込みを継承し、シンプルに徹した全体バランスを構築することで、骨太でマッチョな印象が強いDポケットダブルライダースをスマートシンプル、そしてジェントルに仕上げています。
極少量ずつではありますが、KADOYA直営店に並び始めました。
動きやすく美しいシルエット、オイルドヴィンテージステアが醸し出す豊かな風合い、
モーターサイクルジャケットの歴史と進化を、是非店頭でお確かめ下さい。
【市島】