記事: Repair&custom 01
Repair&custom 01
本社工場で取り扱う修理のなかで、ジャケットやパンツの破れ補修は頻度の高いもののひとつです。
転倒での擦れ、裂け。局部的に力がかかってしまった破れ。経年変化による劣化。
破損状況にもよりますが、まずは裏側に革や裏地・芯地などでボンド貼りをして傷を塞ぎます。
補修跡を極力目立たせたくなければ、これで終了。
もう少し強度をもたせる場合は、破損部分の周りをぐるりと縫い留めます。
表側から本体と似た革を当てれば、更に丈夫になります。
ここまでの補修では(ある意味)生々しく修理の痕跡がのこります。
それを気にされる方にお勧めしているのが、破損部分をデザインアイテムで覆い隠す方法。
パッド、ポケット、ライン、ベルト、ヨーク切り替え、カフス、柄、文字などを、 修理品の雰囲気や使い勝手に応じて取り付けカスタムします。
ここで紹介するジャケットは、袖に開いてしまった破れにポケットをつけるパターン。
お客様のアイデアによる、マルチツールを携帯するための収納アイテムです。
破損した箇所には、ツールの出し入れで傷が広がらないよう、裏・表両方から当革にて補強。
ジャケットの革と、厚み・風合いが近いものを工場ストックの中から選んで、ポケットを作ります。
補修部分が丁度隠れる大きさ、そして、ツールが中で遊ばないボリューム。
口が下向きなので、バックル付のベルトで落下防止。
ZIPと併走するように取り付けてカスタム終了。
お気に入りの1着と長く付き合うために、リペア&カスタムいかがでしょうか。