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記事: マスクマン

マスクマン

マスクマン

おかげ様で今年も無事に新しい年を迎えることができました。

歳の始めにはやはり今年の目標を、、
仕事に対する姿勢に立ちかえるのですが、
思えばボクはこのパターンナーという面白くて仕方ない仕事を
望んでKADOYAに入社したわけではありませんでした。

21歳の時、手に職をつけたいと
職人を希望してこの会社に採用して頂きました。

しかし、会社では様々な事態が劇的に流れ、
新入社員のボクは在職しながら、服飾学校に通い、
KADOYAのパターンナーを任されるようになっていきました。

はじめてお客様のフルオーダーのパターンを手掛けたのは、
それから約一年後だったと覚えています。

運よく納品時に立ち会ったボクは
緊張しまくりで震えていたのを記憶しています。

レザージャケットの専門メーカーカドヤ

以降、お蔭さまでフルオーダーのパターンを
数多くここで作らさせて頂きました。
仕事を通じて幾多の達成感、充実感を感じてきました。

改めて、機会を与えてくれたお客様と当時の社長に
感謝したいと思います。

ふと考えると、初めて型紙を作ったのは、、、

そう、 あれは小学校5~6年の時だったと思います。
時は空前のプロレスブーム

ボクが魅かれたのは何故かマスクマン。
レスラーの中ではスターオブスター「ミル・マスカラス」
技の美しさもさることながら
被っているマスクも秀逸でした。

あのマスクを作りたい!
と思い立ったボクは、
自分の頭囲を計り、
雑誌の写真から片側2面パターンという構成を再現し、
失敗に失敗を重ねてオリジナルパターンを作ったのを覚えています。

レザージャケットの専門メーカーカドヤ

母がKADOYAの下職をしていた経緯から、
運よく弊社の革が調達できました。

贅沢なことに装飾パーツは本革を使用したマスクを作りました。

レザージャケットの専門メーカーカドヤ

ボクが行ったのは、採寸と型紙作製。 
母が裁断、縫製を担当しました。

今考えれば、現在やっている仕事そのものです。

ミルマスカラスのマスクを被りたい!

という一心で作ったボクのパターン処女作は
紛れもなくあのマスクでした。 

良くも悪くも慣れというものが
自分を鈍感にさせてしまいます。

純粋だった頃の自分を忘れかけていましたが、
マスクマンに心が洗われた一年の始まりでした。


【牛坂】