名古屋店の日常(第六話)身頃って何? メンズ、レディースの違い。
ここでは、店長「キタ」と新人「しらさわ」によるちょっとタメになる話を名古屋店の日常を切り抜いてお届けします。
第六話:身頃って何? メンズ、レディースの違い。
しらさわ | 昨日、琵琶湖までツーリングに行ってきたんですけど、やっぱりバイクで走ると気持ちいいですね。 |
キタ | おぉ、いいね! 下道で? |
しらさわ | ええ、下道でのんびり行きました。途中、彦根で城らしき建物が見えたんですけど・・・。今回は立ち寄るのを断念しました。 |
キタ | 嘘でしょ!? それ、絶対に彦根城だよ。現存12天守で国宝、18万石。たしか、日本庭園があって名勝なんだよ。 |
しらさわ | すっ、すみません。 |
キタ | えっ? 何、急に・・・(汗 |
しらさわ | いや~、キタ店長は城も詳しかったなって思って。 |
キタ |
はいはい、どうせ私は革ジャンと城だけの人間ですよぅ。 なら、ご期待に応えて革ジャンの話をしようじゃないか。 |
キタ |
この前言ってた、メンズとレディースはサイズの違いだけじゃないって話覚えてる? |
しらさわ | はい、身頃の枚数が違うとも言ってましたよね? |
キタ |
そう。 ところで、しらさわさんはミカン食べたことある? |
しらさわ | えっ? 何ですか、急に。 |
キタ |
さっきのお返し(笑) いや、ホント言うと、身頃の説明するのにマストなんだよ。 |
しらさわ |
そうですか、でもミカンなんて日本人なら誰でも食べてるんじゃないですか? 冬は「コタツにミカン」が風物詩です。食べ過ぎると指が黄色くなったりして。 |
キタ | だよね、それでミカンを食べるとき皮をむくよね? |
しらさわ | ええ、もちろん。 |
キタ | むいた皮はどうなってる? |
しらさわ | どうでしたっけ?? いや、楕円というかアーモンド形というか。 |
絵 : キタ 作 |
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キタ |
うん。長方形にはならないじゃない。 それって、ミカンが丸いからだよね? |
しらさわ | そうですけど・・・。 ??? |
キタ |
人の体も円柱ではなくて、バストやウエスト、ヒップがあって湾曲しているよね。体が円柱なら革を巻いて筒を作れば一枚の革で済むけれど、フィッティングが大切なライダースは体のラインに合わせるからこそ数がいるし、ラインが複雑になるほどピースを増やす必要があるんだよ。 そして、「身頃」っていうのは衣服の胴回りを包むパーツのことだよ。 |
しらさわ |
あー、なるほど。 男性より女性の方がバストやヒップがあるし、ウエストもくびれてるからラインが複雑、つまり身頃の構成枚数が多いんですね! |
キタ | イエス! イエローフィンガー! |
しらさわ |
黄色い指の話はとっくに終わってますから(汗 どれどれ・・・、ホントですね。 物によりますがメンズはだいたい5枚で、レディースは7枚くらいで構成されてますね。 |
・1636 EURUS(メンズ) 身頃は5枚で構成される。 |
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・1652 EURUS-GS Lady(レディース) 身頃は7枚で構成される。 |
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しらさわ |
あれっ、でも同じメンズなのにEURUSとEURUS-GSは違いますよ。 EURUS-GSは背中に割りがあるから1枚多くなります。 どういうことですか? |
・1651 EURUS-GS(メンズ) 身頃は6枚で構成される。 |
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キタ |
良いところに気付いたね。 身頃の枚数は基本的にパターンで決まるんだけど、例えばバイク用でも競技で使用されるレーシングツナギなんかは結果が全てな訳で、すごく体にフィットする必要があるんだよ。世の中には10枚以上で構成される物もあるし、逆にカジュアルだとメンズスーツなんかはカッコ良い逆三角形型のスーツそのもののシルエットを出すため、敢えてピースを4枚に抑え羽織る感じでフワッと着用するものが多いよね。 極論、Tシャツは一枚だったり。 ただ、革の場合は天然素材が故に使用できる大きさも考えなきゃいけないってのがポイントなんだ。 山羊は牛より大きい? |
しらさわ |
小さいですね。 そうか、レザーウェアはパターン以外でも使用する革の種類でパーツの加減があるんですね。 |
キタ |
そういうこと。 例えば「背中が一枚革」が良いものとして認識されているお客様もいるけど、全てがその限りではないんだ。動物の種類や、運動性を高める為に背中に割りが必要な場合もあるからね。そのアイテムの本質を知り、僕たち販売員はソレをお客様に伝えるのも仕事だよ。 |
しらさわ |
いやー。為になります。 革ジャンって深いですね。 |
キタ |
深いでしょ。 ところで、カドヤが今扱っている動物の種類、つまり革の種類は把握してる? |
しらさわ | 牛と山羊ですよね? |
キタ | ざっくり言えばそうだけど、実は・・・。 |
(扉が開く音)
キタ
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あっ、お客様がみえたね。 |
しらさわ
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いらっしゃいませ! |
キタ
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いらっしゃいませ! |
キタ
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(また、時間があるときに話すよ) |
つづく・・・
登場人物のご紹介
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キタ |
しらさわ
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