シンプルに込められた想い
唐突ですが、夏場のレザージャケットのデザインはかなり悩みます。普段冬に着用する物を夏用に落とし込まなければならないため、普通にデザインすると夏物としては何だか暑苦しく見えてしまう事が多いのです。
レザーウェアブランドとしては、革ジャンをかっこよく気軽に着用していただくため、デザインだけでなく素材や機能面でもアシストできるよう努めています。
裏地に吸汗速乾メッシュを採用したり、良く風が抜けるようパンチングの穴のサイズを研究してみたり、、、
パンチングレザー製品を企画する際は、3シーズンモデルよりもスッキリしたデザインと視覚的な重量感に注意してデザインするようにしています。
さて、長い前置きはこのくらいにして笑、今回ご紹介するPL-SWというジャケットの拘りポイントを、いくつかご紹介いたします。
ライダースらしさを演出するにはダブルジャケットが最適ですが、夏場は襟が暑苦しいと感じてしまうため、あえてスタンドカラーを選択。襟の幅は3シーズンよりも細めに設定し、首が触れても暑苦しくないように配慮。
また、フロントを開けた時に重量感を感じ、風の抜けも悪くなるダブルの重なりは、大胆にカット。通気性を高めるとともに、着用時の軽量感を演出しています。
このままだとプレーンなデザインになりすぎるため、視覚的にライダースらしさを感じられるよう、フロントには太めの金属ファスナーを配置。
ハンドルを握った際に手元にチラリと見えるように、袖口ファスナーもあえて見える位置に配置してあります。
一見するとプレーンでどこにでもありそうなデザインですが、拘りが多く詰め込まれています。
KADOYAが展開する商品は、シンプルな中に「意図」が隠された製品が数多くあります。そんな裏話のうちの一つを知った今、興味が湧いてきたとう方もいらっしゃるでしょうし、既にお持ちの方は、更に愛着が深まったんではないでしょうか。
企画者のデザイン秘話、機会があればまたご紹介いたします。