KADOYA STORY Vol.4-HF LAB.始動-SBS HOLSTER
HF LAB.始動-SBS HOLSTER – KADOYA STORY Vol.04
カドヤの誇るトップレンジ、HEAD FACTORY
その裏には、濃密に煮詰められたものづくりの理念がある。
其れゆえの完成度、そしてジレンマ
そこから一歩を踏み出す派生ラインHF LAB.とは
編集:カドヤ編集部
削ぎ落とす事、足されるもの
1935年の創業以来、カドヤが守り続けてきた本社工場と職人達。
コーポレートアイデンティティとも言える彼らの存在は大きく本社工場HEAD FACTORY(以下HF)のもの作りには削ぎ落とされた合理性と、時流に流されない普遍性が求められてきた。
徹底された製品管理と縫製マニュアル、個体差の許されない既製品生産において、決して表に出すことのない職人達それぞれの感性、、、
多様な縫製手法と革との対峙。その中で培われた創造性がHFの職人達にはある。
HFの舵を握る工場長は語る。
既製品を生産する一方、創業当時から続けているオーダーメイドやリペア、カスタムなどの多様な業務を担うHFの職人達。
ひとつとして同じ物がない、それらの品々と向き合うためには技術や知識だけでなく、職人各人の発想力や美意識、そして気遣いが重要となる。
革製品との対峙により日々磨かれていく職人の感性、今までこれをプロダクトアウトの形で表現することはなかった。
職人達の個性にスポットを当て、従来のHFプロダクツとは違ったものを、もっと柔軟に生み出したい、、、
そして、HF派生ライン「HF LAB.」が始動する。
HF LAB.第一弾となるアイテム「SBS-HOLSTER」
もともとは、職人のひとりが実験的に作ったウォレットホルスターだった。
片手間で作られたそれは、未完成ながら何かを感じさせる異彩を放っていた。
日の目を浴びないプロトタイプは、そのままお蔵入りになる事が普通だ。
しかしその後、製品化を前提とした改良が、職人本人の手により繰り返される事となる。
ガンホルスター、タンカースブーツ、斧、、、、職人の琴線に触れてきた様々なキーワードが融合されていく。
削ぎ落とすことを美徳とするHFクオリティーから離れ、躊躇無く足された機能的ギミック。
そしてHF LAB.第一弾アイテムとなる「SBS-HOLSTER」は完成した。
表出することのなかったひとつの個性が、ホルスターという形で生み落とされたのだ。
独創的なデザインと設計
縫製、ベルト使い、リベットおよび金具使い。
足し算のように追加されていきながら、強度を確保したタフな作りと合理的な構成になっている。
大腿部への装着感を高める脚部ベルト
様々なバイクのポジションや動きを想定し、脚部にベルトを配置。
ドットボタンとダブルリングによって容易に着脱と調整ができる。
本体の調整機構
ぐるりと本体に回るベルトは収納した内容物を本体ごと押さえ込み、ウォレットだけでなく様々なものを違和感なく収納できる機能を兼ねている。
また、ベルトからの吊り下げ部も金具により調整可能な機構を備え、身長が低い方も高い方も違和感なく装着できるよう配慮されている。