人生と共に変化していく物を作る難しさと楽しさに出会えた。

もともとは金襴や絹物を扱う職人をしてました。
趣味で着る衣服ではなく、ユニフォームのような立ち位置の衣。それ故、仕立物に対して熱意を持ってもらうことが少なかったです。
好きで、着たくて、使いたくて、って言う気持ちを乗せてもらいたいなぁと。
飾って眺める物じゃなく、生活を共にし時と共に変化していく物。

痛んだら手放してしまう物じゃなく、手入れや修理を重ねて長く使用できる物。
そういう物を作りたいと思っていた一年前、そのままの物を作っているKADOYAと出会いました。ライン作業じゃなく、一人が一つの品物に対して裁断から仕上げまで広い範囲で携われるというところにも惹かれました。

そういうところから奥行きや趣が生まれると思って。革も洋裁もミシンも知らずだったので、苦戦ばかりしてます、一年間。

この苦戦がまだまだ続くのは当然なんですが、いつの日か経験になり、糧になり、ということでそれはそれで。

スタッフも職人も、革製品が好きだったり、実際にバイクに乗っていたり、使い手としての視点も持っていて。

お客様のご来店から製造、販売、ご使用、その先までが同じ感覚の下にフラットに広がっているように感じます。そしてそれぞれが自分の仕事に集中してるんです。それが当たり前のはずですが、なかなか無い気がします。

新鮮でした。独特な雰囲気もありますが慣れたら心地良いですし、物を作る現場としても会社としても、なかなか出会えない環境なんじゃないかなと感じてます。